2006年10月15日

Yahoo!と新聞社が生み出した無断リンク禁止論者

Web2.0の時代に何故、無断リンク禁止論者が存在するのか。

今ではサイト内コンテンツさえ自由に利用してもらおうというオープンなWeb2.0の考え方が広まりつつあるわけですが、依然として無断リンクを禁止するサイトであったり、あるいはトップページリンクに限るサイトが見受けられます。

では、何故、リンクに制限を加えようとするサイトが依然として少なくないのか。これにはYahoo!と新聞社が少なからず影響を与えていると思われます。

まず、Yahoo!は今でこそYSTを採用し、メインをロボット型検索エンジンに切り替えていますが、以前はYahoo!で検索するとまずYahoo!ディレクトリ登録サイトが表示されていました。ディレクトリは簡単に言ってしまえば「大規模なリンク集」であるわけですから、利用者は必然的にサイトのトップページにアクセスする事となります。Yahoo!は日本では最大手のポータルですし、ウェブに慣れていない方の中では特に人気があると思われます。つまり、ウェブに慣れていない方がディレクトリを見て、「リンクとはトップページにするべき」という考えを持ってしまったのではないでしょうか。

望むにしろ望まざるにしろ個別ページへのリンクを作り出してしまうGoogleやYSTなどのロボット検索は、「トップページにリンクすべき」という考えを持っている方にとっては迷惑なものなのだと思いますが、時代の流れとしてロボット検索が主流になっています。それに大流行しているブログの人気の要因の一つが「各記事が単独でURLを持つ」という点にある事を考えると、やはり個別ページへのリンクを禁止するのはナンセンスでしょう。

次に新聞社は、その大半が個別記事へのリンクを禁止しています。しかし、法的拘束力が無いうえ、道義的に問題があるとは言っても企業に道義心を感じる人は少ないので、ほとんど効果は無し。ただ、新聞社がリンク禁止しているだけなら大した問題では無いのですが、影響力の強い新聞社のサイトがリンク禁止を明言する事によってウェブに慣れていない読者までもが無断リンクを禁止するのは自然な事と勘違いしてしまうのが問題ではないでしょうか。

ウェブにとってリンクは極めて重要な機能であるため自由なリンクに制限を加えるとウェブの発展に甚大な悪影響を与えかねません。そういう点で自由なリンクを禁止するべきではないでしょう。新聞社にとっても広告収入の問題などがあるのでしょうが、影響力のあるサイトが無断リンク禁止を唱えるのはウェブ全体にとってはマイナスです。

ここまで書きましたが、個人的には個人サイトが無断リンク禁止を唱えるのは一向に構わないと思います。無断リンクを禁止する方の価値観まで否定するつもりはありません。無断リンク批判が行き過ぎると「suVeneのあれ:無断リンクにまつわる何だかなぁって話」で述べられているような過度な悪ノリを生みかねないわけですし、これはあまり好ましい状況ではありません。

ただ、無断リンク禁止を唱えるうえでは、世間的には「リンクは自由」と考える方が多い事を理解したうえで、あくまで「抑止力」程度に考えておくのが、調和が取れていると言えるのはないでしょうか。実際にリンクされたからと言って抗議するのはリンク自由論者の価値観を否定しており、決して良い反応ではないと思われます。

そして、「何故、無断リンクを禁止しているのか」を自分なりに考えて、もしYahoo!や新聞社などのために無意識のうちに「無断リンク禁止」、あるいは「リンクはトップページのみ」としてしまっているなら、リンク自由の考え方に触れてみるのも良いかもしれません。


タグ:yahoo リンク
posted by admin at 19:03 | Comment(4) | TrackBack(0) | web このエントリーを含むはてなブックマーク
この記事へのコメント
ほんとうに無断リンク禁止と考えている方が多いんですかね?ネットを使い慣れているユーザーがそう思っているだけでないのですか?

世間的には勝手に利用するなって方がわかりやすいと思いますが?

もちろん、リンクの存在意義を考えると自由であるのが当然ですが、Webへの敷居が下がって利用者が増えたことで、この存在意義への理解度が下がってきていると私は思います。

だからこそ高木さんのような方が啓蒙活動にいそしんでいるのではないでしょうか?
Posted by at 2006年10月16日 11:37
> ほんとうに無断リンク禁止と考えている方が多いんですかね?
多いとは思いません。しかし、記事上で書いたとおり少なくはないと思います。普段、閲覧するサイトのジャンルにもよるのかもしれませんが、個人サイトが10あればそのうち2つくらいは「無断リンク禁止」あるいは「トップページリンク限定」などのようなリンク制限を設けているような印象があります。

> 世間的には勝手に利用するなって方がわかりやすいと思いますが?
自分のサイトを"出版物"と見るか、"日記帳"と見るかの違いだと思います。私を含めてリンクは自由だと考えている方にとっては、サイトとは誰にでも読まれるし、他所から紹介もされるし、場合によっては引用もされる"出版物"だと考えているのだと思います。逆に無断リンクを禁止されている方にとっては、サイトとは"日記帳"のようなものであり、日記のような個人的なものを他所で紹介する場合は事前に許可を得るのが当然だと考えているのでしょう。

しかし、ウェブという公開された場所に置く以上、(たとえ書いている事が日記であっても)サイトとは"出版物"であると考えるのが自然であると考えます。つまり、無断リンク禁止論者にとっては「勝手に利用するな」という考えの方が受け入れやすいのでしょうが、リンク自由論者にとっては「公開されているものを何故、紹介・引用してはならないのか」と考えてしまうわけです。

もちろん、どちらが正しい考えなのかというと、これは「人によりけり」だと思いますが。
Posted by at 2006年10月17日 03:03
お邪魔します。
 インターネットの構成単位が「サイト」ではな
く「個々のページ」になったという事でしょう
か。「参照か、所有か」という事でしょうけど、
「無断リンク」が発展すると「他人のページへの
無断リンクによって自らのサイトを構築する(自
らのサイトのコンテンツに見せかける)」事も可
能になるように気がします。
Posted by ブロガー(志望) at 2006年11月19日 12:31
> インターネットの構成単位が「サイト」ではなく「個々のページ」になった
Yahoo!がディレクトリ中心からロボット検索中心に移行したことを大きな契機としてウェブが「ページ」中心になったのは間違いないと思います。大流行しているブログも「ページ」中心のウェブに最適化されているツールだと思われるので。

> 「他人のページへの無断リンクによって自らのサイトを構築する(自らのサイトのコンテンツに見せかける)」事も可能になる
他サイトのコンテンツをいかにも自分のものであるかのように装うのは「無断リンク」とは別の意味で問題があると考えます。事実、現在でもフレーム内に他サイトのコンテンツを表示する事は問題視されているので。

ただ、そうであるからと言って、大方のリンクは自らのコンテンツに見せかけてはいないわけで、無断リンクそのものを禁止してしまうのはナンセンスであると思います。
Posted by at 2006年11月20日 23:05
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。